フジテレビとビッグモーターの事例から学ぶ、組織改革の重要な教訓
近年、フジテレビやビッグモーターの問題が浮き彫りになったことは、日本の組織が抱える根本的な課題を示しています。 日本企業が外部環境に対応できず衰退していった大きな理由の一つに組織の硬直化が挙げられます。それは古い体質のまま現代まで続くことで生じるものであり正しい事業承継が行われていない場合に顕著に現れます。
両社に共通するのは、トップが長期間にわたって権力に固執し続けた点です。なぜ彼らが権力に固執するのか。その理由は様々ですが、純粋に会社の将来を心配し、後継者に任せることに不安を感じているのかもしれません。しかし、あまりにも長期間権力を維持しようとする姿勢が強いと、私利私欲や過去の行動が明るみに出ることを恐れているのではないかと疑いたくなることもあります。
そして長年にわたって権力を維持できる背景には、イエスマンの存在があります。権力者が強力な人事権で自分に忠実な者のみを周囲に置くことで、組織は変革の力を失い、リーダーシップの交代が進まなくなります。 こうなってしまうと仮に代表が交代したとしても本来であれば、新しい代表が就任すると、古い体制を改め、前の代表者の影響力を排除し、新たなビジョンを作り出そうとする力学が働くものです。しかし、イエスマンやゴマすりで出世した人々が多く、前の代表者に選ばれた人事権を持つ組織では、そういった改革の動きが起こりにくいということです。
このような状況を打破するためには、スムーズな継承と権限移譲が必要です。新たなリーダーにバトンを渡すことで、組織は新しい視点を取り入れ、柔軟な思考を持つことができます。さらに、多様な意見を受け入れ、イエスマンに頼らない組織作りが、変化に対応できる強い組織を育みます。
フジテレビやビッグモーターの事例から学べることは、これからの時代において、組織の健全な発展を支えるための重要な教訓です。私たちはこれらの教訓を胸に、真に強い組織を築いていく必要があります。