会社に代表者が2人!?共同代表取締制度と複数代表取締役制度の違い、注意点を解説!

近年の中小企業では、事業承継問題やM&A、スタートアップなどの盛り上がりで、代表者が2人いることも珍しくありません。本記事では、代表取締役が2人いる場合の実務上の注意点について、以前の共同代表取締制度と現在の複数代表取締役制度の違いを交えながら詳しく解説します。

会社に代表者が2人は問題ないのか?

結論から言うと、会社に代表者が2人いることは全く問題ありません。代表者が2人いることで意見のバランスが取れ、リーダーシップの負担を分散することができます。しかし、現在の制度が以前存在した共同代表取締制度ではなく、複数代表取締役制度である点に注意が必要です。

共同代表取締制度と複数代表取締役制度の違い

以下に、共同代表取締制度と複数代表取締役制度の違いを説明します。

  • 共同代表取締制度: この制度では、複数の代表取締役が共同で会社の業務を執行します。つまり、意思決定には複数の代表取締役の合意が必要です。これにより、互いの監視と均衡を保てますが、意思決定が遅れるリスクがあります。現在では、2005年の会社法の施行により、この制度は廃止されています。
  • 複数代表取締役制度: 一方、複数代表取締役制度では、各代表取締役が個別の事業や組織ごとに会社を代表します。この制度では会社全体の重要な意思決定には合意が必要ですが、日常業務では迅速な意思決定が可能です。これにより、業務の効率性が向上し、柔軟な対応が期待されます。

複数代表取締役制度の実務での注意点

実務において、代表取締役が2人いる場合には注意が必要です。特に中小企業では、一方の代表取締役が他の組織運営に干渉することがあります。しかし、これは従業員や組織全体に混乱を招くリスクがあり、会社法(第349条、第362条)に違反する可能性があります。特に、一方の代表取締役が筆頭株主である場合でも、干渉は避けるべき行為です。相互の信頼を築き、もう一方の代表取締役を信頼し、その判断を尊重することが重要です。この信頼関係が、企業運営の健全さを保つ上で不可欠です。

おわりに

企業運営における複数代表取締役制度は、適切に運用すれば組織の強みとなります。その効果を最大限に引き出すには、明確な役割分担と信頼関係の構築が不可欠です。会社法を遵守しつつ、代表取締役それぞれが協力し合い、健全な企業成長を目指しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です