それ、権限移譲じゃなくて“なんちゃって”です──なんちゃって権限移譲10選
「任せた」と口では言っても、実態は権限が本当に移譲されていない。
そんな「なんちゃって権限移譲」が、組織のまとまりを壊してしまうことは少なくありません。
今回は、特に組織への悪影響が大きい「なんちゃって権限移譲」を中心に10項目を紹介し、
組織がバラバラにならないために必要な考え方を整理します。
◆ なんちゃって権限移譲10選
ここでは、比較的深刻度の高い「なんちゃって権限移譲」をピックアップして紹介します。
★が多いほど、組織への悪影響が大きく、深刻な問題を引き起こしやすいものです。
① 責任だけ押し付ける(★★★★★)
最終決定権は上司のまま。リスクだけ現場任せ。
② 細かい進め方に口出し(★★★★☆)
自由にやれと言いながら、手順まで細かくコントロール。
③ ゴール設定なしで丸投げ(★★★★★)
目指す方向も示さず、結果だけを求める。
④ フォローせず放置(★★★★☆)
困っても助けず、進捗も見ない。
⑤ 結果が出る前に差し戻す(★★★☆☆)
途中で口を挟み、結局自分のやり方に戻してしまう。
⑥ 失敗したときだけ責任追及(★★★★★)
成功は上司の手柄、失敗は部下の責任。
⑦ 小さな裁量しか与えない(★★★☆☆)
いちいち細かい承認が必要で、実質自由がない。
⑧ 適性を見ずに任せる(★★★☆☆)
力量を見極めずに、無理な案件を振る。
⑨ 準備不足のままいきなり任せる(★★★☆☆)
育成なしで重要な仕事を任せ、失敗させる。
⑩ 「任せた」という言葉だけが独り歩き(★★★★☆)
実態は何も変わっていないのに、「権限移譲している」と思い込んでいる。
◆ 本物の権限移譲とは何か
「任せた」と口にするだけでは、組織はまとまりません。
本当の権限移譲とは、責任と権限をセットで渡し、進むべき方向を共有し、必要な支援を惜しまないことです。
現場に任せながらも、全員が同じ方向を向いて動ける環境をつくる。
それができたとき、組織はバラバラになることなく、しなやかに力強く成長していきます。
2025.4.27
甘夏ニキ