バズるだけでは売れない!心理・接点・施策でつくる“売れるカスタマージャーニー”

バズるだけでは売れない!心理・接点・施策でつくる“売れるカスタマージャーニー”

売上につながるマーケティングとは、ただ“目立つ”だけではありません。
大切なのは、顧客の心理の流れに沿って、最適なタイミングで最適な情報を届けること。そこで認知から推奨までのカスタマージャーニーを「心理 × 接点 × 施策」の三位一体で設計する方法を解説します。

◆なぜカスタマージャーニーが重要なのか

マーケティングの現場では「カスタマージャーニー」という言葉がよく使われます。これは、顧客が商品やサービスを知り、購入し、最終的には他人に勧めるまでのプロセスを表すものです。

しかし、多くの人がこの概念を「認知 → 興味 → 検討 → 購入 → 推奨」といったステップの単なる羅列で終わらせてしまいます。本当に重要なのは、それぞれのフェーズで顧客が何を考えているのか(心理)、どこで接触するのか(接点)、何を提示すべきか(施策)を具体的に設計することです。

◆カスタマージャーニーの5フェーズを理解する

カスタマージャーニーは主に次の5段階で構成されます。

  1. 認知:商品・サービスの存在を知る
  2. 興味:より詳しく知りたいと思う
  3. 検討:他と比較し、購入候補に入れる
  4. 購入:実際に購入・利用する
  5. 推奨:満足して周囲に紹介・再購入する

この流れを追うだけではなく、各段階における顧客の気持ちと最適な打ち手をセットで考えることが、マーケティングの成果を左右します。

◆フェーズ別に見る「心理 × 接点 × 施策」

それでは、各フェーズを「心理・接点・施策」の3要素で見ていきましょう。

◆よくある失敗とその対策

カスタマージャーニー設計において、よくある失敗のひとつが「フェーズごとの心理を無視して施策を打ってしまう」ことです。

たとえば、まだ認知されていない段階でFAQや料金プランを提示しても、ユーザーはそもそも興味を持っておらず、ページを閉じてしまいます。逆に、認知フェーズの段階で長文の説明資料を出しても、読まれません。

もうひとつありがちな極端な例が「炎上商法」です。
これはカスタマージャーニーの「認知フェーズ」に強く偏った手法で、SNS上で過激な言動や対立構造を演出し、話題性によって一気に注目を集めます。

一見、爆発的に拡散し「成功したように見える」かもしれませんが、多くの場合、顧客の心理がその先に進みません。
「気になった」けど「嫌いになった」「信頼できない」、結果、興味・検討・購入・推奨という後半フェーズにスムーズにつながらず、ジャーニーが分断されてしまうのです。

認知だけを求めるアプローチは、短期的な話題性にはつながっても、持続的なブランド構築にはならないことがほとんど。むしろ「信頼を失うコスト」の方が大きいケースもあります。

◆まとめと実践へのヒント

カスタマージャーニーとは、単なる顧客行動の地図ではなく、顧客の心理に寄り添いながら“どの接点で・何を伝えるか”を設計するための戦略ツールです。

SNSで一時的にバズることよりも、「認知 → 興味 → 検討 → 購入 → 推奨」という流れを断絶なくつなぐことこそが、本当の意味で顧客の心を動かすマーケティングです。

炎上商法のように“注目だけ”を目的にした設計は、ジャーニー全体の構造としては破綻しやすく、ブランドを継続的に育てるうえではむしろ逆効果になることが少なくありません。

一方で、共感・信頼・満足といった顧客心理の変化に合わせて設計されたジャーニーは、購入後の継続利用やファン化につながり、自然と紹介やシェアも生まれます。

だからこそ、あなたのビジネスやブランドにおいても、認知だけでなく「次のステップに自然につながる体験設計」がなされているかを、今一度見直してみることが重要です。

2025.6.21
甘夏ニキ

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