農業はなぜ「やる気があっても始めにくい」のか?制度の壁とその影響
1. やる気と覚悟だけでは農業は始められない
農業に興味を持ち、「やってみたい」と思う人は多くいます。しかし、実際に農業を始めようとすると、予想以上に多くの障壁が立ちはだかります。やる気や覚悟があっても、それだけで農業を始めることは難しく、現行の制度や規則が新規参入者にとって大きな課題となっています。私自身も、実家とは別に自分名義で農業を広げようとしていますが、制度上はまだ農家として認められていません。土地を借りたくても、農地法や農業委員会の制度が壁となり、なかなか前に進めないのが実情です。
2. 目に見えづらい参入障壁の正体
農業を始めるためには、まず農地を確保する必要があります。しかし、農地を借りたり購入したりするには、農業委員会の許可が必要です。その許可を得るためには「農家としての認定」を受けなければならず、その過程で研修の受講や営農計画の提出、一定の栽培面積の確保など、複数の条件を満たす必要があります。こうした規則は地域の農業を守るために設けられていますが、一方で新規参入を難しくする要因にもなっており、意欲があっても農業を始めることが容易ではない状況を生んでいます。
3. 制度が守るものと阻んでいるもの
これらの制度は、地域の農業を維持し、耕作放棄地の増加を防ぐために設けられたものです。しかし、実際には新規参入者にとって大きな障壁となり、多くの意欲ある人が農業を始める機会を得られずにいます。特に少子高齢化が進む中で、農業の担い手不足が深刻化している現状を考えると、制度のあり方を見直す必要があるのではないでしょうか。
4. これからの農業に求められる制度設計
農業に必要なのは“門戸を開く”制度設計 今の農業に求められているのは、「守る制度」ではなく「開かれた制度」です。やる気と能力のある人が、柔軟に参入し、学びながら拡大していける仕組みこそが、これからの農業に必要ではないでしょうか。 農業の未来をつくるのは、制度ではなく人です。今後、より開かれた制度設計を進めることで、農業の持続可能性を高めていくことが必要ではないでしょうか。
2025.5.8
甘夏ニキ