中小企業の労働分配率と賃上げのジレンマ


出典:中小企業白書 小規模企業白書 2022年版㊤

◇労働分配率とは何か

労働分配率とは、企業が創出した付加価値のうち、人件費が占める割合を示す指標です。この指標は、人件費が適正な水準かどうかを判断するために使われる経営指標として用いられます。

労働分配率(%)=人件費 / 付加価値 ×100

ここで言う労働分配率は付加価値額に占める人件費とします。

付加価値額=営業利益+人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課


◇中小企業の労働分配率の現状

物価高や賃上げ圧力の中で、中小企業が人件費に8割以上を投じているという事実は、その経営の厳しさを物語っています。それは、中小企業が労働者に対して大きな投資をしていることを示している可能性もあります。

しかし、人手不足が深刻化し、売り手市場が続く中で、賃上げの必要性は益々高まっています。ここで適切な賃上げが出来ない企業は人材が確保できず最悪市場から退場せざる得なくなります。


◇解決策は利益を上げること

解決策は利益を上げることです。労働分配率の式からもわかる通り労働分配率を一定に保ちながら賃上げを行うには利益を上げるしかないということになります。

単純な話ではありますがこの利益が上がらないから困っているというのが今の中小企業の現状だということはよくわかります。

ただ、物価高の他、円安、インバウンドの増加など様々な市場トレンドに目を配ればビジネスチャンスは必ず見えてきます。


◇まとめ

確かに労働分配率から見てみると中小企業は大変な状況であるというのはよくわかります。

しかし賃上げと収益拡大のスパイラルが起こると、企業と労働者双方にとって理想的な状況を生み出します。

なので、厳しい状況ではありますが、なんとか利益を確保して賃上げに繋げていってもらいたいと切に願っております。

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