国内資源を見直せ!バイオマス発電と林業の未来戦略

日本の森林資源

日本には豊富な森林資源があります。国土の約7割が森林に覆われているにもかかわらず、国内の林業は長年低迷を続けています。原因は明らかです。固定価格買取制度(FIT)が誕生してから十年以上が経過しているのに、当初掲げた「国内林業の活性化」という目標が達成されていないのです。このままでは、眠れる資源を無駄にするだけでなく、日本の成長の可能性をも閉ざしてしまうでしょう。

本来の趣旨から外れたFIT制度

固定価格買取制度は再生可能エネルギーの普及を目的に導入されました。その一環として、バイオマス発電は国内の間伐材や未利用木材を活用し、林業を支える役割を担うはずでした。しかし、実際には輸入燃料に頼る発電所が大半を占めています。パーム椰子殻や木質ペレットといった輸入燃料はコスト面で有利なため、国内木材が活用される機会は極めて限られています。制度の不備が、林業の衰退を助長している現状を放置してきた結果、国内の資源は有効活用されることなく放置され、地域経済や雇用への波及効果も生まれていません。

林業活性化がもたらす未来

しかし、これを変えることで、日本の未来は大きく変わります。林業の活性化は単なるエネルギー供給にとどまらず、新たな産業やイノベーションの創出につながります。例えば、急峻な山岳地帯に適した伐採機械や、デジタル技術を活用した森林管理システムの開発は、林業を効率化するだけでなく、世界中の同様の課題を抱える国々への技術輸出という道を開きます。日本のように山岳地帯が多く、森林資源が豊富な国は世界中に存在します。これらの国々に向けて日本の技術を提供することは、新たな外貨獲得の手段としても期待できます。

いま必要な2つの改革

  1. FIT制度の見直し 国内木材を使用するバイオマス発電所への特別な高価格設定を行うことで、事業者が国内資源を活用しやすくする仕組みが必要です。
  2. 機械化・デジタル化への補助金強化 林業の効率性を高めるための機械化やデジタル化に対する補助金を充実させることで、生産性を向上させ、国内木材の競争力を高めます。

まとめ

日本は、豊富な森林資源を有効活用することで、エネルギー自給率の向上だけでなく、イノベーションを通じた新たな産業を生み出すチャンスを持っています。しかし、その実現には今こそ制度と政策の見直しが不可欠です。眠れる資源を目覚めさせ、日本の林業を再び成長産業に。固定価格買取制度の改善と補助金の強化は、その第一歩です。この取り組みが、国内の課題を解決するだけでなく、世界に向けた技術輸出という新たな可能性を開くでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です