【剪定】柑橘類、農薬不使用甘夏でも病害虫や食害の被害を減らす剪定

こんにちは世直しよっちゃんです。
本日は柑橘類の剪定のやり方について解説します。
柑橘類と言っても農薬を使用した慣行栽培ではなく、農薬不使用栽培です。筆者の農園では農薬不使用の甘夏を栽培しています。しかも山の麓で栽培していることもあり鹿が出ます。出るというより普通にいます😅そんな、病害虫やシカの被害が出そうな甘夏の剪定はどうしているのかご紹介します。
と言っても基本的な剪定はセオリー通りですので、まず剪定の基本を見てみましょう。

※今回ご紹介する剪定は樹齢5年以上の成木についてです。苗木は剪定方法が異なります。

剪定の目的

柑橘類の剪定の目的は3つです。

①収穫しやすいようにする
 …樹木はほっとくと上へどんどん伸びていきます。柑橘類に限らず果樹は樹木が大きすぎると収穫が困難になります。剪定で管理しやすい大きさにします。
②着果量を安定させる
 …柑橘類は生り年と不生り年を交互に繰り返す隔年結果を起こします。剪定で毎年の着果量をある程度調整します。
③日当たり風通しを良くする
 …剪定で日当たり風通しが良ければ、果実の品質向上と病害虫の抑制が期待できます

剪定の時期

柑橘の剪定は樹木に負担がかかる真夏や真冬以外はいつでもできますが最適な時期は新芽が出る前の2月中旬から3月です。新芽の場所を確認しながら剪定する場合は4月上旬でも構いません。

剪定の手順

剪定の手順は大きく3つです。

 筆者の渾身の水彩画です、ノンクレームでお願いします😅

①高さ広がりを抑える
②間引き剪定で不要枝を元から間引く
③最後に残った枝の整枝と着果量調整の為、切り返し剪定(切り戻し剪定)で仕上げる

常緑果樹の柑橘類は、強剪定は控え一回の剪定で樹木全体の1~2割程度を目安に剪定します。

㊟剪定の呼び名について
…必ずしも不要枝の撤去が間引き剪定で着果量調整が切り返し剪定とは限りませんが、今回はわかりやすいように不要枝の撤去を「間引き剪定」、着果量を調整する剪定を「切り返し剪定」としています。また①の高さ広がりを抑える為の剪定方法は、樹形によって間引き剪定や切り返し剪定を使用しますので一概に言えません。剪定の種類は下記を参照ください。

剪定の種類

剪定には様々な切り方がありますが、柑橘類の剪定では大きく分けて2通りを覚えておくといいです。

 筆者の渾身の水彩画part2です、ノンクレームでお願いします😀

①間引き剪定…主となる幹や枝から分岐した枝を根元から切る剪定方法
②切り返し剪定(切り戻し剪定)…主となる枝を途中で切る剪定方法

切り返し剪定の場合、外芽のすぐ上で切るのがポイントです。内芽の上で切ると内向枝、徒長枝の原因になります。

剪定する枝の種類

剪定する枝は下記の9種類です。

①枯れ枝…かれえだ:枯れた枝
②徒長枝…とちょうし:直立した勢いの良い枝
③内向枝(逆さ枝)…ないこうし(さかさえだ):木の内側に向かって伸びる枝
④並行枝…へいこうえだ:残すべき枝と同じ方向に出ている枝
⑤絡み枝…からみえだ:ほかの枝に絡みついた枝
⑥車枝…くるまえだ:一か所から複数の枝が出ている枝
⑦胴吹き枝…どうぶきえだ:幹から出てきた枝
⑧ひこばえ…幹の根元から発生する枝
⑨ふところ枝…ふところえだ:幹の近くで出てきた枝

不要な枝の種類を覚えるのは難しいですが、要するに日当たりや風通しを考え邪魔な枝を撤去すると考えればよいです。たいがい邪魔だなぁと思える枝は①~⑨に当てはまります。

着果量調整のしかた

前回が生り年だった場合、次は不生り年が予想されます。不生り年の場合、花芽が少なく着果も少なくなる為、むやみに剪定を行わず不要枝の間引き剪定くらいか、もしくは無剪定とします。もし枝先が気になるようでしたら切り返し剪定は極力行わず、軽く枝先の間引き剪定をします。間引き剪定を行っても、残った枝にその分花芽が付きやすくなりますので着果量減少を抑えられます。

逆に、次が生り年の場合、花芽が多く着果も多くなりますので、不要枝の間引き剪定を行うと共に枝先の切り返し剪定をしっかり行い花芽の量を抑えます。生り年にある程度、着果量を抑えると不生り年でも着果量が維持できます。また切り返した枝からはその年多くの1年生枝が出ますので、不生り年に、より多くの花芽が期待できます。

筆者の農園の剪定方法

筆者の農園では農薬不使用栽培を行っており、シカまで出ます。つまり病害虫の被害やシカによる食害のリスクがかなり高いことになります。
気を付けることは2つです。

①徹底的に日当たり風通しを良くする
②食害が出ない高さで新芽を出させる

農薬不使用栽培でも、ある程度、生り年、不生り年を意識しながら剪定を行っていますが、むしろ大事なのは思い切った剪定です。とにかく病害虫が発生しにくい環境づくりを第一に考え、日当たり風通しが良くなるよう意識しながら剪定しています。また、樹木の下部から出た新芽はシカに食べられてしまい枯れ枝が発生しますので、下部の新芽は全て剪定し、樹木の中部から上に着果させるよう意識しながら剪定しています。

通常1回の剪定で樹木全体の1~2割程度を目安に剪定しますが、写真では思い切った剪定を意識する為3~4割は剪定しています。あまり切りすぎると樹木に負担がかかり光合成もできにくくなりますので、2,3年かけて枝数を減らしていったほうが望ましいです。ただ一度思い切り切っておくと翌年以降はあまり剪定の必要がなくなります。

筆者の農園のメリット、デメリット

農薬不使用で野生動物と共存しながらの栽培と聞くと聞こえがいいですが、実際は思い切った剪定が必要で、樹形も木の上部に着果させる形となるため、農薬による慣行栽培に比べ格段に収穫量が落ちます。

メリット

 〇農薬不使用でもある程度の品質の果樹が得られる

デメリット 

 〇樹木の上に着果させるため収穫が大変。高枝切りばさみ必須
 〇思い切った剪定を行うため毎年、収穫量が少ない

剪定の方法について解説してきましたが、初心者の方はどこを切っていいか悩まれると思います。ざっくりいうと日当たり風通しを考え邪魔な枝を撤去すると考えれば難しくありません。思い切り切っても春になると新芽はどんどん出てきますので臆せず剪定に挑みましょう。

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