新規就農者の方必見!肥料焼けの怖さを観葉植物パキラで実体験、その症例をご紹介

今回は農作物にかかわる方に知っておいてほしい肥料焼けについてお話します。筆者も農業に携わる以前に室内で育てていた観葉植物のパキラを肥料焼けで枯らしてしまった経験があります。ただ、枯れるまでは、原因がわからず適切な対処ができませんでした。

今回は、パキラを例にご説明しますが、通常、農作業に係る方は、肥料の施肥(せひ)量は順守されると思いますので、今回の記事は直接関係ないかもしれませんが、知識として知っておいて損はないかと思います。

 肥料焼けとは

肥料焼けは、植物に過剰に肥料を施用(せよう)することで、根や葉に障害ができ、枯れてしまう症状です。植物の根は、土と根のイオン濃度の差、つまり浸透圧の差で水分を吸収します。水分はイオン濃度の薄いほうから濃いほうへ流れるため、植物の場合、土(薄い)から根(濃い)へ水が流れ、水を吸い上げます。しかし肥料を過剰施用した場合、土中のイオン濃度が濃くなり、逆に濃度の薄い根から濃度が濃い土中に水分が吸い取られ、日増しに植物が弱っていきます。また、過剰施用した場合、気温が高い日などは肥料の窒素分が大量に分解され多くのアンモニアガスを発生させます。アンモニアガスは、植物の葉の中に入り込みクロロフィルを破壊し葉を枯らしてしまいます。高温になりやすい夏場のハウス栽培には注意が必要です。

 症状と見分け方

畑で栽培している野菜を例に、肥料焼けの症状を2パターンご紹介します。

①化成肥料を施用して数日で元気がなく、しおれてきた。畑全体ではなく部分的に症状が出ている。

この場合、施肥した肥料が均一ではなく、一部、肥料の濃度が濃い箇所に肥料焼けの症状が出てきていると思われます。しおれた野菜は、根が肥料焼けで水分を吸収できなくなっています。

②ハウス栽培で、葉が白っぽく変色する症状が、ハウス全体で出ている。

この場合、肥料の窒素分からアンモニアガスが発生し、アンモニアガスで葉の組織が破壊され変色してきています。ハウスが密閉されているとアンモニアガスがハウス内に充満し葉の変色がハウス全体で発生しやすくなります。

 予防と対処法

予防方法は、とにかく化成肥料の用法用量を守るということです。一度に多量の過剰施肥はせず、均一に施肥しましょう。また、根の近くではなく少し離して施肥しましょう。詳しい使用方法は購入した化成肥料の、パッケージ袋に書いてあるはずですのでご確認ください。

また、肥料焼けの症状が疑われる場合、粒状の肥料は取り除き、早めに多量の水を散布して土中のイオン濃度を下げる必要があります。ハウス栽培の場合、さらに喚起を良くし、アンモニアガスを取り除きましょう。

 肥料焼け、筆者の事例をご紹介

パキラ5月
購入したすぐ(5月)のパキラ
パキラ11月
半年後(11月)のパキラ
パキラ1年後
一年後(翌年の5月)のパキラ

筆者はパキラを2020年の5月に購入、まだ小さかったパキラですが半年も経たない内にみるみる成長、この時、気を付けていたのが水やりです。と言うのも初心者がパキラを枯らしてしまうランキング第一位が水のやりすぎによる根腐れです。ついつい初心者は植物愛で水をやりすぎてしまうんです。そんな愚かなことはしないと誓った、筆者だったのですが、この時、重大な過ちを犯してしまいました。化成肥料のやりすぎです。当時筆者は、肥料は多ければ多いほど良く、パキラは大きく生き生きと育つはずだと信じ込んでいたため、用法用量は完全ムシ。しかも、化成肥料とは別に活力剤まで使用、写真でわかる通り2本も使用しています。まさに邪道です。
しかし、その甲斐あってか夏場の成長期は、確かにパキラは良く育ち、葉も大きく青々と茂っていました。変化が現れたのは、秋から冬にかけてです。パキラは常緑樹の為、一年中、緑の葉が茂っているはずですが、葉が一枚、また一枚と枯れ始めたのです。成長もピタリと止まりました。まあ、秋冬は休眠期なので、一種の生理現象と思い気にも留めていませんでした。しかし、いよいよ、これはおかしいと感じたのは春から初夏にかけてです。待てど暮らせど新芽が一向に出てきません。外に目を向けると春の暖かさで周りは草花が育ち始めています。育ってないのは我が家のパキラだけです。それどころか、葉はしおれ、徐々に元気がなくなってきていました。土は、ほとんど水をやっていないのに湿っています。根腐れ?水枯れ?迷ったものの多量の水をやって様子を見ます。一向に変化なし、それどころか益々、弱ってきました。意を決して鉢から根を取り出し、確認すると...腐ってます。根腐れです。
この後、慌ててネットで根腐れからの復活法を検索します。応急処置として、腐れた根は切断し除去、その後、切断した部分を水につけ新しい根が出てくるのを待ちます。。。

根腐れしたパキラ
根腐れしたパキラ
パキラの根腐れ
幹を残し、腐れた根は除去
パキラ根腐れ対処
水につけ、新しい根が出てくるのを待ちます


色々試した挙句、今回は、残念ながら再生には至りませんでした。もっと早く対処していれば復活していたかもしれません。
水管理は相当気を使っていたのですが根腐れ?今振り返ると原因は、完全に肥料焼けでしょう。常に土が湿っていたのも、肥料焼けで根が水分を吸収できず、逆にパキラから土中に水分が吐き出されていたためです。こうして、根が呼吸できず根腐れが発生、さらに、初夏に迷った挙句、多量の水をやってしまったため、ここで完全にアウトとなってしまったようです。

一般的に肥料焼けは、多量施肥後すぐ症状が現れます。今回は、最初ほとんど症状が見られず、気づいたのが1年後となってしまいました。これは、ほとんど水をやらないというパキラ特有の生育法の為、施肥した肥料からの養分の流出が遅かったからだと考えられます。また、野菜と違い小さいながらもパキラは樹木の為、症状が現れるのが遅くなったのかもしれません。いずれにせよ、肥料焼けで枯らしてしまったのは事実で、筆者の知識不足が招いたことです。今回の筆者の事例で、肥料を使用する際の注意喚起となれば幸いです。皆さまも、化成肥料を使用する際は、用法用量を正しく守り、施肥後に植物に異変が見られた場合は、肥料焼けを疑いましょう。

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